講師紹介

統括講師

江口 明宏Akihiro Eguchi)
中小企業診断士/社会保険労務士


2000年中小企業診断士登録。
1次試験7科目、2次試験4科目を2003年より17年間担当。

試験委員の著書や年400枚を超える再現答案から本試験で求められる解答を分析、試験傾向の変化に対応した講義テキスト・演習作成に活かしている。
「月刊 企業診断」に2次試験事例問題や1次・2次試験総評を寄稿している。著書「EBAメソッドで「読み・解く」合格答案作成講座(同友館)」。

講師からのメッセージ

働き方を選べる能力を。

1999年頃からEmploy Abilityという言葉が聞かれるようになりました。Employ Abilityとは雇用され得る能力のことで、自社が勤める会社以外でも通用する職業能力を意味します。奇しくもこの時期に労働者派遣法の改正が続き、終身雇用体制が崩壊する原因の一つにもなりました。
あれから20年が経過した現在、大手企業が副業を推奨するようになり、日本でも働き方の多様性が求められる時代に入りました。5年後、10年後には会社と従業員との関係や価値観もさらに変化しているでしょう。
社会における働き方・社会との関わり合い方が多様化し、私たちには会社組織から離れても自由に生き方を選択できる能力が求められるようになりました。それは20年前ような雇用され得る能力ではなく、自身で働き方や場所、時間を自由に選べる能力であり、Selectable Abilityとも言える能力です。
中小企業診断士は中小企業の経営改善・経営革新を支援する国家資格ですが、この資格は自身を「中小企業者」と見立てることで、自らの生き方(働き方)を支援する資格として活かすことができます。個人事業主としてでなくても、複業する社会人として、自身を客観的に分析し、自身が求める働き方・生き方を経営理念に見立て、望ましい働き方を示すことが可能です。
大企業が従業員の雇用を支えることができない時代に入りました。40年前には想像すらできなかったことが現実となっています。会社組織に求められ受動的に対応するのでなく、社会や経済を俯瞰し、自身のあるべき姿をデザインし、自らの居場所を選択(決定)できる力が今後ますます求められます。
この資格はそのすべてを満たすものではありませんが、社会における自社の価値を知り、自身にとっての会社の価値を知り、社会と自身との関わり方を変えるために必要な情報の整理や判断に必要な知識・理論を体系的に学ぶことができます。資格は道具であり手段でしかありませんが、あなたが求める生き方を発見し、キャリアパスを描くために役立つ武器になります。
何か変わるべきだけどそれが何かがわからない。そのような気持ちでこの資格に出会ったことは幸運なことだと思います。勇気をもって前に進みましょう。