【江口より】1次試験の出題傾向の変化

えぐちです。

6月も半分が経過し、診断士試験は1次試験直前期を迎えています。
EBAでは答練1回、模擬試験1回の計2回の予想問題を通して今年の1次試験突破を支援します。
ここ数年の1次試験の出題傾向は、これまでとは少し変化しています。

例えば、従来では特定の領域(PPMやマーケティングの関与など)を除いて、同じ領域が連続して出題することがほとんどありませんでした。
しかし、ここ2年の出題では、頻出論点ではなかったものが連続して出題されるようになっています。

上記の傾向変化には2つの解釈が成り立ちます。

1つは、たまたま連続して出題しただけで、今年は出題されないだろうという解釈で、もう1つは、試験委員が重視する論点を変更したという解釈です。

例えば例示したPPMですが、平成30年度こそ出題されませんでしたが、この領域は平成24年度から平成29年度まで6年連続で出題されています。ここ数年にこの資格に挑戦した方からすれば、「PPMは重要論点」という認識だと思います。
しかし、じつは平成23年以前、PPMは出題されていませんでした。

これと似た傾向を示しているものが、「ダーウィンの海」など、ベンチャー企業の直面するキャッシュフローの課題問題です。
この理論は、平成17年、平成20年に出題されたのち、6年間も出題されていません。しかし、平成26年以降は5年で4回も出題され、現在では頻出論点となっています。

1次試験は非常に広範囲からの出題となりますので、すべての理論を網羅的に覚えることはできません。このため、上記で紹介したような最頻出論点を確実に抑えた上で、数年に1回、もしくはここ数年で連続して出題されている論点を抑えます。
また、このような出題傾向(パターン)の変更とは別に、選択肢レベルでの設計パターンも知っておく必要があります。

診断士1次試験では、これまでに出題実績がない論点も3割弱出題されますが、残りの7割は過去に出題された理論からの出題となっています。
これは試験の難易度をコントロールするための絶妙な配合です。
そして試験対策上、当然ですが7割の既出理論を優先的に抑えることが重視されます。しかし、既出論点だから過去問を解けばよいかというと、それほど甘くないのが最近の試験の難易度です。

ここ5年の1次試験の設問設計は、選択肢の6割を過去に出題実績のある論点を再利用し、残り4割を新たな論点に洗い替えています。
この4割は、当然ですが未だ出題実績のない論点となりますので、その場のセンスでどうにかなるものではありません。

例えば、EBAでは直前期の答練に以下のような問題を出題しています。

第1問

 多角化した企業のドメインと事業ポートフォリオの決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 多角化を一層進めようとする経営者は、事業間の関連性パターンが拡散型の場合、新しい経営資源と旧来の経営資源との間の隙間を埋めていくことで、隙間分野への多角化が生まれることを期待する。

イ 多角化した企業の経営者にとって、事業ドメインの決定は、現在の活動領域や製品分野との関連性を示し、将来の企業のあるべき姿や方向性を明示した展開領域を示す。

ウ 企業ドメインの決定は、通常、企業にとって多角化の広がりの程度を決め、個別事業の競争力を決める問題である。

エ 多角化した事業間の関連性を考える経営者にとって、事業ドメインの決定は、全社戦略の策定と企業アイデンティティ確立のための指針として、外部の多様な利害関係者との間のさまざまな相互作用を規定する。

オ 多角化を一層進めようとする経営者は、事業間の関連性パターンが集約型の場合、規模の経済を重視した資源の有効利用を考える。

毎年おなじみのドメインの問題ですね。
ドメインも平成30年では出題がありませんでしたが、9年で6回の出題実績をもつ最頻出論点です。
選択肢を読んで感じられたと思いますが、「半分くらいは見たことある、残りは見たことない」という印象だと思います。

これが本試験で採用されている設問設計です。
ここで重要になることは、洗い替える4割の選択肢です。
これは何でもよいなんてことはなく、試験委員の書籍や、試験委員が参照する書籍を参考にして予想することになります。

もちろんすべてのエビデンスを捉えることは難しいのですが、EBAでは試験委員の著書と参考書籍をすべて揃えていますので、かなりの部分をカバーできています。
このような対策を講じることで、効率的に1次試験突破を目指しています。特に、昨年足切り救済科目となった経営法務はかなり気合入れて準備しています。

さすがに昨年のような問題にはしないと思いますが、単科で受験する方にとっては、楽観視できるものではありません。
EBAでは特に民法に力を入れてますので、昨年レベルの難易度でもしっかり6割確保できる対策を講じています。
来年度、1次試験の受験を検討されている方はぜひEBAの1次試験対策を検討してください。

もちろん今年受験される方も、単科で申し込みできますのでぜひご利用ください。