得点開示結果分析からみる合格パターン

えぐちです。

今日は過去の得点開示結果を考察してみます。

まず、最近5年間の得点開示平均点を見てみましょう。

サンプル数は60名弱ですが、参考になると思います。

平均点は220点前後で推移していることがわかります。

データは少ないですが、全体の平均点も同水準ではないかと思います。

合格者の平均点は20点程度高くなっています。

つぎに、年度ごとに全体と合格者の平均点を比較してみます。

合格者は全体よりも20点程度平均点が高いですが、どこで差がついているのかに注目してください。

5年分のデータを見る限りでは、合格者は4事例すべてで高得点を取っていることがわかります。

また、合格者は事例Ⅳだけで得点を稼いでいるわけではないことがわかります。

この点をもう少し深く考察していきます。

下表は、合格者の事例ⅠからⅢの合計点をまとめたものです。

事例Ⅰ~Ⅲで平均6割(180点)以上得点できている人の割合を出してみました。

年度による多少のばらつきはありますが、合格者の6割以上が事例Ⅰ~Ⅲで180点以上得点していることがわかります。

よく「事例Ⅰ~Ⅲでは差がつかないから事例Ⅳで稼げ」という話を聞きますが、データを見る限りでは、「合格者は全事例で差をつけている」ことがわかります。

平成30年度試験のように、事例Ⅳで高得点が期待できない難易度になることもあり、「事例Ⅳで勝負する戦略」はリスクも高いことを知っておく必要があります。

1次試験で1科目だけで受験するとその年の難易度の影響を受けやすくなることと同じです。

事例Ⅳの個別問題でどれほど得点できているのか

最後に、直近2回分の設備投資の経済性計算問題の正答率をみていきます。

数値を見る限りではこれらの問題は「本番では」得点できてないことがわかります。

ちなみに令和元年のこの問題を正答した方4名のうち、得点開示結果が明らかな2名の得点は73点と72点でした。

また、平成29年でこの問題を正答した1名の方の得点開示結果は56点(!)でした。


得点開示結果をみても、いわゆる難問を解いた方がそれに見合った高得点を出しているわけではないことがわかります。

「事例Ⅳを得点源にする」のではなく、「全事例を得点源にする」戦略が最もリスクが低く現実的な戦略ではないかと思います。

少なくとも、事例Ⅳにおいて上記のような難問を無理して解こうとはせず、「ほかの人でも取れそうな問題」で得点できるような優先順位付け・時間管理が合格可能性を高めると思います。

その意味では、2次筆記試験の合格定石は1次試験とよく似ています。

以上を踏まえて、残された時間をどの科目に充てるのか、どこまでを到達状態とするのかを明確にして学習しましょう。