【2次】EBAが目指す2次試験の到達状態

えぐちです。

今日は2次試験の合格目標の話をします。
2次筆記試験は100点満点の事例問題を4つ解いて、240点以上で合格となります。
ただし、1つでも40点未満の科目があれば不合格です。
各事例は100点満点ですので、このうち4割は失点してよいということになります。

こう考えると割と簡単そうに見えますが、現実は甘くありません。
昨年は4,829人が受験し、3,923人が240点未満となっていますので、81%の受験生が4割以上失点したことになります。
不合格率が8割を超える試験です。とても迫力のある数字です。

100点満点の試験で60点以上を目指すとしたら、何点を目標とすればよいでしょうか。
100点?80点?それとも60点?逆に50点ですか?

実は、受験生の多くの方は「事例ごとに何点を目指すのか」を明確に定めていません。
つまり、科目ごとの得点目標がないということは、受験にあたって「到達状態のイメージがない」ことを意味します。
具体的な到達状態がイメージできない場合、結果は目標に対して大きくばらつきます。
ダイエットをするにしても、貯金をするにしても、「ダイエットしよう」「貯金しよう」ではなかなか成果は出せません。
細かいレベルに落とし込んだ、具体的な目標値があれば、それだけ予実管理がしやすくなります。

2次試験を受験するにあたって、80分間で何をすべきかは、80分間で何点を目指すかという目標に依存します。
個別問題を処理する際に、どの問題を優先するのか、どの問題に時間をかけないのかの判断は、この到達状態によって影響を受けます。

EBAでは合格を具体化した到達状態を、4事例280点としています。各事例の目標は70点です。
この到達目標は、過去の再現答案の協会得点開示結果から割り出した数字です。
80点以上は狙って取れるものではありませんが、70点なら狙えば取れる得点です。

これ以上の得点を目標とするとリスク(分散)が一気に高まるので、結果が安定しなくなります。

 
この到達状態を設定する一番の狙いは「結果の安定性」です。
2次試験では毎年形式を変えてみなさんを驚かすような問題や、与件を解釈することが非常に困難な問題が出題されています。

このような問題がある一方で、設問解釈時点で「何を書かせたいのか」「なにを探しに行けばよいのか」が明らかな問題もあります。
これら難易度の極端に異なる問題が同じ配点で用意されているのが2次試験です。
難易度の異なる問題に、無差別に時間を使って処理すれば、結果(得点)は大きくばらつきます。
2次試験ではこの難易度の評価が適切にできさえすれば、80分という時間制約で70点の得点を安定的に得ることが可能です。
この到達状態に達するには継続的な訓練が必要になりますが、「努力して手に入る到達状態」です。
もちろん、4事例すべてでこれを実践することは困難ですので、試験当日のパフォーマンスは「これ以下」になります。
その結果が、240点という合格基準を超えるように管理できればよいと考えるのがEBAの方針です。

以下に、昨年度に合格された受講生の合格体験記を紹介します。
この方は2回目の受験で2次試験に合格されました。

「江口先生はよく、「事例あたり70点、計280点を取るための指導をする」と言います。
正直、あの難試験で280点なんて単なる気休めか超絶スペックの高いスーパーマンの話で、1次試験4回、2次試験2回目の自分には縁のない話と思って聞いていましたが、そんな私が今回の試験で280点超えをマークしました(EBA採点)。
学んだことを愚直に繰り返して本番で発揮できれば、スーパーマンでなくても280点が取れるということを身を持って体感しました。」

この方の再現答案のEBA採点結果と、先日とどいたばかりの得点開示結果は以下の通りです。

EBA採点は協会が実施していると思われる得点調整前の採点(素点)ですので、実際の本試験の得点よりは低くなります。
素点では200点以上で合格します。
この方の体験記での「280点超えをマーク」という意味は、(得点開示結果が届く前の)EBAの得点開示予想のことです。
「学んだことを愚直に繰り返して本番で発揮」できれば、280点は「狙って取れる得点」となります。
もちろん240点以上取れれば合格しますので、このようなハイスコアを結果として出す必要はありませんが、「到達状態」として具体的な目標値とすることで、具体的な努力が結果を生み出しやすくなります。

もう一人、昨年240点で合格された方のデータをご紹介します。

※EBA評価は200点以上をA評価、200点未満で合格可能性の高い答案をAB評価としています

この方は体験記で、以下のように試験当日を振り返っています。

「また、改めて読み直してみてみると、やはり本試験問題は難しいな、と実感したものの、同時に、いつも通りの手順で取り組めば解けそうだな、という実感もわいてきて、当日の落ち着きにつながったと思っています。」

そして、合格するためのアドバイスとして、

「根拠ある指導を信じること、本試験の80分間×4の時間をどう使うかのイメージ作りをしっかりすることは、合格につながると思います。」

このように書いています。
この方も、先の方も、得点結果こそ異なりますが、「あるべき姿」を具体的に想定し、努力してきたことが、合格という結果を作り出す確たる原因になったのだと思います。

ぜひみなさんも参考にしてください。

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