江口の一問解説 No.13 〜2次試験 問題編〜

EBA中小企業診断士スクール 統括講師の江口明宏です。

今回は事例Ⅰをテーマにします。平成29年度の与件本文を解釈しましょう。

1段落

 A社は、資本金1,000万円、年間売上高約8億円の菓子製造業である。A社の主力商品は、地元での認知度が高く、贈答品や土産物として利用される高級菓子である。A社の人員構成は、すべての株式を保有し創業メンバーの社長と、専務の2名、そして正規社員18名、パートタイマー中心の非正規社員70名をあわせた約90名である。A社は、2000年の創業以来、毎年数千万円単位の規模で売り上げを伸長させてきた。近年では、全国市場に展開することを模索して、創業時から取り扱ってきた3種類の主力商品に加えて、新しい菓子の開発に取り組んでいる。同社のビジョンは、売上高30億円の中堅菓子メーカーになることである。

7段落

 しかし、創業からおよそ17年の時を過ぎたとはいえA社の主力商品は、前身であるX社が築きあげてきた主力商品に依存しており、A社が独自で作り上げたものではないことは事実である。かねてより目標として掲げてきた全国市場への進出の要件ともいうべき首都圏出店の夢もいまだにかなっているわけではない。売上高30億円というビジョンを達成するためには、全国の市場で戦うことのできる新商品の開発が不可避であるし、それを実現していくための人材の確保や育成も不可欠である。

【問題】

A社の課題を踏まえた助言のうち、最も適切なものはどれか

[解答群]

ア 商品開発部門を設置して経験者を採用し、開発権限を委譲する。
イ 首都圏に直営店舗を出店する。
ウ まず地元に直営店舗を出店し、店舗運営ノウハウを蓄積する。
エ 人材の流動性を確保し、A社として組織的な対応ができるようにする。

A社の現状をただしく理解するために需要な問題です。じっくり考えましょう!解答編は、5月20日(日)にアップいたします。