最高の17時20分を迎えよう

えぐちです。

明日が2次筆記試験です。
5000人の受験生が、ほとんど全員緊張して、眠れない夜を過ごす特別な日です。
これまで1000回以上も日曜日を経験してきているのに、 この特別な日は、これまでのようにはどうしても思えません。

私もここ一番という日はそれはとても緊張します。
あたまは真っ白になりますし、それまで準備してきたことをいくつもすっとばしてしまいます。
手に「人」と書こうがなにしようが、西野カナのように震えるこの手を止められやしません。

いまこうして、自分が明日試験を受けるなんて想像したら、パソコン打ってる指に汗をかいてきました。
ここ一番で緊張しないでいられる人は羨ましい。
だけど、そういう肝の座った人は本当に少ないです。

ということで、緊張することのリスクを明らかにしてみましょう。

緊張することのリスクは、ずばり「普段の実力が発揮できないこと」ですね。
まったくその通りです。
そして前回のブログにも書きましたが、あなたの緊張のピークは事例Ⅰです。
9:40から11:00までです。

ここであなたが緊張することで何が起きてしまうのか。書き出してみましょう。
①設問解釈時点で、これまでのようにスムースに頭が働かないことで、解答構成、理論想定・展開、レイヤー想定ができない
②概要把握時点で、文字がほとんど頭に入ってこないため、設問への対応付けができない
③上記②により、概要把握でふだんの2倍(10分程度)の時間を使ってしまう
④概要把握後に、ふわふわしていて、どの設問から手を付けてよいかの判断ができなく、前に進まない
⑤結局第1問から処理することになるが、設問に対応する与件段落が「複数段落・かつ非連続」であることから、情報整理に時間を掛けすぎてしまう
⑥第1問の結論として、なにを書けばよいのかが想定できない。
⑦第1問の編集において、対応する与件根拠から100字分をうまく選択できない。また時間をかけて選んだが、構成を間違えて何度も消しゴムを使用していまう。
⑧第1問終了後に、優先順位の評価をし忘れたことで、なにも考えずに第2問に着手してしまう。
⑨上記⑧の設問が与件との対応付けが困難な問題であり、かつレイヤーどりも難しいことから、何を書いてよいのかもわからなく、時間を浪費する。
⑩けっきょく南極、無為に時間を浪費したあげくに与件対応付けもあまり自信がないまま編集する。
⑪この時点で残り時間が25分を切っており、体中に汗が噴き出て、焦りがピークに達する。
⑫後半の今後の戦略転換の設問は、これまでの戦略と比較する意識が吹き飛んでおり、何を書いてよいのかがわからないでスタックする。
⑬上記⑫の設問では理論もへったくれもない、何かいたのかさえ思い出せないような文字を殴り書いただけで、次の設問に進める。
⑭上記⑫に沿った組織上の設問も、組織構造や組織変革など、ふだんは割りと落ち着いて探しに行けた根拠を想定することさえできず、与件本文を何度も読み、ぐるぐる回ってバターになる。
⑮ようやく見つけた組織構造の根拠だが、組織逆機能がうまく想定できずに、取り合えず浮かんだ「後継者育成」をなんとなく書いてしまう。
⑯もう1問残ってるけど、残り5分で与件解釈などできず、何か与件文をコピーして時間終了。
⑰事例Ⅰの失敗を1日ひきずり、事例Ⅱ以降も散々な出来になる。

どうでしょうか?
リアリティたっぷりでドキドキしますね。
この項目を、何度も何度も読み返してください。そうですね、最低10回は読みましょう。
緊張は、あなたの想像を超える未知の何かを恐れる心が生み出します。
あなたが幼いころに恐れたおばけは、幼いあの頃と同様に、今のあなたを怖がらせることはできません。
あなたが大人になって、未知が既知となったことで、恐怖という感情は胡散しました。
緊張も恐怖心も同質のものです。いずれも、これを生み出すのはあなたの心ですね。

緊張は避けられません。
ならば、最悪の事態に備えましょう。それが、先に書いた負のアクシデントたちです。

何度も何度も読むことで、この失敗体験をあなたは記憶します。
もちろん始めは胸がきつくなりますが、すぐに慣れます。

起きうる近い未来の疑似体験により、あなたはその経験を活かし、これらの事態に直面しているあなた自身を知覚することができるようになります。
その時、あなたは普段のあなたならできたはずのことを思い出すことができます。

あなたが恐れるおばけを明確にしましょう。
あなたが恐れる失敗体験たちは、すべてあなたは経験済みですね。
それなら、その時にどう振る舞うのかも、よく知っているはずです。

本試験はうまくいかないことばかりです。
だけど、それでいい。 それくらいの気持ちで受験してください。
何度しくじっても、大丈夫です。
明日1日は、下を向かずに、前を見ましょう。

17時20分を迎えた最高の状態とは、失敗しなかったことではなく、 100回失敗しても、最後まで決して諦めなかったことです。