1次試験結果と今年の2次筆記試験の受験者数と合格率の予想

えぐちです。

昨日、診断協会のウェブサイトが更新され、1次試験の結果が公表されました。

https://www.j-smeca.jp/attach/test/r02/r02_1ji_toukei.pdf

受験者数11,785人(14,691人)

合格者数  5,005人(4,444人)

合格率     42.5%(30.2%)

カッコ内は令和元年度試験


受験者数が昨年より約3,000人減少し、合格者数は561人増加となりました。合格率42.5%は新制度が発足した平成13年度試験の51.3%に次いで2番目の高さです。

ここ2年間の1次試験結果から見える今後の中小企業診断士試験

令和2年度の科目ごとの合格率は以下通りです。
 
経済学・経済政策  23.5% ( 25.8% )やや難化
財務会計      10.8%( 16.3% ) 難化
企業経営理論    19.4% (10.8%) 易化
運営管理        9.4% (22.8%) 難化
経営法務      12.0% (10.1%) やや易化
経営情報システム     28.7% (26.6%)やや易化
中小企業経営政策  16.4% (5.6%)  易化

7科目平均       17.2% (16.9%) やや易化

カッコ内は令和元年度試験


財務会計、運営管理の2科目が難化していることがわかります。

また7科目平均の科目合格率をみても、決して今年の1次試験が簡単だったわけではないことがわかります。

難易度は「例年並み」です。


合格率が高騰した理由は、「足切り不合格者」の減少にあると考えています。

例年1次試験は爆弾科目と言われる超難化科目が出ていましたが、ここ2年でそのような科目はありませんでした。

その理由として、「設問設計の変更」が考えられます。

今年受験された方は実感されたと思いますが、各科目の中での問題難易度のバラつきが大きく、特に「基本的な問題」が目立ちました。

これは令和元年度の経営法務で見られた特徴ですが、40点分(10問)は取らせる意図の問題を用意して、それ以外を難問にするという設計です。


今年の1次試験では、経営法務以外の科目でもこのような傾向が見られました。

これにより足切り救済科目を出さずに、全体の平均点を抑えることが可能になります。

この設計を採用すると1次試験の合格率が上がるため、ここ2年の1次試験合格率はこれまでの平均20%を大きく上回りました。

これが科目ごとの平均合格率に変化がないにも関わらず、1次試験合格率が上昇した原因ではないかと思います。

後述しますが、今年の2次試験受験者数は爆発的増加とはならないため、この設計は今後も継続される可能性があります。

そうなった場合、今後の1次試験合格率は30%前後まで上昇し、2次試験合格率は18%前後で推移することが予想されます。

これは、「中小企業診断士試験は2次筆記試験である」という診断協会のメッセージとも受け取れます。

1次試験の無意味な難化を解消する革新的な変化と言えますので、この傾向は歓迎したいと思います。

今年の2次筆記試験の受験者数と合格率の予測


上記資料は新制度施行後の2次筆記試験のデータです。

https://www.j-smeca.jp/attach/test/suii_moushikomisha.pdf


グレーの部分はデータに基づくEBAの予測です。

昨年も同様の予測をしていますので、結果と比較してみてください。

https://www.ebatokyo.com/news/1712


今年の1次試験合格者が5,005名で、昨年からのリベンジ組が推定で2,237名いますので、2次筆記試験申込者数は7,242名となります。

例年このうち96%が受験するので、受験者数は6,952名です。

数字をそのまま受け止めれば今年の受験者数は昨年比プラス1,000名(!)となります。

しかし、今年の1次試験において、新型コロナウィルス感染予防のために受験自粛した方は2割程度いたと推定されます。

2次筆記試験も自粛による受験資格の延長措置が取られたため、同様に受験を自粛する方が一定数いると推測されます。

自粛率を1次試験と同率と仮定した場合の受験者数は5,562名となり、昨年よりも少なくなります。

おそらく診断協会は自粛率15%~20%で試算しているのではないかと思います。

この場合の受験者数は5,562名~5,909名となりますので、採点スケジュールを踏まえても現実的な人数といえます。

合格率を昨年同様18.3%と仮定した場合の合格者数は1,018名~1,081名となり、合格者数の数としても極端に増加するでもないため、妥当な数値といえます。

今年2次筆記試験を受験される方は、特別に競争率が高くなるわけではありません。

「今年は受験者数が爆発するので自粛して来年受験しよう」などという考えは、かえって合格を遠ざける結果を招くことになります。

小手先の策を弄せず、正々堂々と今年勝負しましょう。

もちろん、純粋に新型コロナウィルス感染症防止を理由として受験を自粛する場合はこの限りではありません。

会社の規定やご家族の健康を優先して今年受験自粛せざるを得ないという方もいらっしゃるはずです。

このような方はむしろ、今年受験できなかった悔しさを糧に力を蓄えることができるはずです。

臥薪嘗胆、来年に向けて気持ちを繋いで備えましょう。

以上が今年の2次試験の予測となります。

近い未来を可視化できたら、あとはやるべきことに全力に集中しましょう。