2次筆記試験の結果が発表されました

江口です。

1月12日に2次筆記試験の結果が発表されました。

申込者数 9,110人(昨年は9,190人)

受験者数 8,712人(昨年は8,757人)

合格者数 1,632人(昨年は1,605人)

合格率 18.7%(昨年は18.3%)

令和4年の1次試験後の予想は以下の通りです。

受験者数は昨年に次いで過去2番目に多く、合格者数は過去最高だった昨年を上回る人数となりました。合格率は平成30年並みまで少し上昇しました。合格率18%〜19%をベースにする相対評価であることに変化はありませんでした。


合格された方へ

 2次試験合格、本当におめでとうございます。難しい試験で見事に結果を出し、これまでの努力が報われたことに安堵されていることと思います。勉強すればするほど不安も増幅するこの試験勉強で、時間的、経済的な負担に加え、心理的なストレスを長く抱えながらそれに耐え、こうして結果を残したことは、大きな自信になったと思います。終わりが見えないと思えた暗闇にも、必ず光が射す。使い古されたこの言葉は、自らそれを体験したことで、あなたにとっての生きた教訓として、これからの人生を支える大切な言葉になると思います。

 この結果を得るために、ご家族や友人などの身近な人たちに長く支援を得てきたと思います。自分が当事者でない方をサポートすることは、当事者とは異なるストレスがかかることと思います。いつ結果が出るかわからない試験に関与してくれた彼らは、あなたの合格に欠かせない心の支えになったはずです。ぜひ、直接、言葉で感謝の気持ちを伝えてください。その一言はなによりの恩返しになると思います。

 いまは口述試験、そして実務補習と、登録に向けての準備でいっぱいだと思います。しかし、それらが落ち着いた頃、自分がこの診断士資格から離れていたことに気づきます。自動車の運転免許と同じで、資格は使用しないと廃れていきます。あなたの診断士の知識は昨年の10月30日を境に衰退しています。

 この資格は現場で実践すればするほど磨かれていきます。必要なのは知識の補充・補完でなく実践です。実践のない知識は役に立ちません。自動車運転のテキスト見ただけで縦列駐車ができないのと同様に、実際に動いてみないと身につきません。診断士の資格は、中小企業支援をする際に必要な知識を体系化したものなので、現場でそのすべてが必要になるとは限りません。それでも、あなたの中小企業支援の現場において、何を聞くべきなのか、何を調べるべきなのか、何を評価すべきなのか等、経営者を支援するために必要なタスクを無駄なく想定することができます。ぜひ現場で実践してください。




惜しくも不合格となった方へ

 あと一歩で手が届きそうだったものが離れてしまった現実を突き付けられたこの感情は、言葉では表現できない、経験した人にしかわからないものだと思います。この資格は自分には分不相応であるという気持ちにさせられるかもしれません。なにより、これまで支えてくれた家族に申し訳ない、情けないという気持ちでいっぱいだと思います。

 自分一人のことなら「またやり直そう」と割り切れるかもしれませんが、ご家族にたくさんの負担をかけてきたことを思えば、簡単に次へと切り替えられるものではないと思います。

 今年合格された方も、おなじような状況でこの資格と向き合い、今年は報われることができました。2次試験の難易度やその年の問題の自分との相性など、不確実なものが多いこの試験は、努力したことの結果が保証されることはなく、不安を抱えたなかでの1年だったと思います。

 合格した方と不合格になった方の違いは、後から説明できることがたくさんありますが、それは結果です。ほとんどの受験生が「この問題はもっと書けたはず」と試験後に後悔する問題があるのは、緊張や不安や疲労など、受験勉強とは直接関係のない要素の影響を少なからず受けるからだと思います。まったく同じ問題でも、どのような状態でそれを解くのかで結果は変わってしまいます。今年合格された多くの方も、おなじような状況で悔しい思いをされた経験があって、その経験が今年の試験に生かされたのだと思います。

 この資格との出会いは縁であり、その縁は偶然かもしれませんが、その縁を繋ぎ自身の人生に深く関わらせるかどうかは、一人ひとりの自由な意志に委ねられます。この資格は、決してあなたに不相応な資格ではありません。縁でつながり、魅力を感じ、学びの楽しさを知り、自分の考え方や感じ方を変えてくれたこの資格との関係は、あなた自身で決めることができます。試験結果は冷たく合否を突きつけてきますが、あなたにとってそれは乗り越えるべき過程の一つに過ぎません。求めれば、必ず手に入ります。そうでないなら固執する必要はありませんが、求めるなら、諦める必要はありません。時間をかけても、必ず手に入れ、報われましょう。これまでの経験が必ず生かされます。

 これまで支えてくれたご家族は、この資格を知って変わろうとしたあなた、変わったあなたを近くで見てきた一番の理解者です。時間をかけ、話し合い、正直な思いを伝える機会をつくってください。