出題の趣旨を踏まえた令和3年度の事例Ⅲ

えぐちです。

今回は事例Ⅲについて書きます。

令和3年度のEBAが考える事例Ⅲの物語はこちらをお読みください。



第1問(配点20点)
 革製バッグ業界におけるC社の(a)強みと(b)弱みを、それぞれ40字以内で述べよ。

【出題の趣旨】
C社の事業内容を把握し、革製バッグ業界におけるC社の強みと弱みを分析する能力を問う問題である。

事例ⅡのSWOT分析と同様で、とくに情報はありません。

第2問(配点30点)
 バッグメーカーからの受託生産品の製造工程について、効率化を進める上で必要な(a)課題2つを20字以内で挙げ、それぞれの(b)対応策を80字以内で助言せよ。

【出題の趣旨】
C社の受託製品の受注生産工程について、効率化を進める上で必要な課題を整理し、その対応策を助言する能力を問う問題である。

特に追加的と解される情報はありません。この問題の解釈について、「受託生産品の製造工程について」という表現から、助言対象を「工程上(つまり生産現場)」に限るとする解釈があります。その場合は生産管理上の施策(生産計画や生産統制)は加点対象外となるわけですが、本設問は「工程上」の制約を意図した問題ではないと判断できます。
例えば第3問では「製品企画面」と「生産面」の課題を要求していますが、これが解答時の制約となります。このような制約がある場合「設計面」「営業面」などは加点対象外となります。第2問では課題自体は「製造工程」にありますが、課題への対応策について「製造工程上の」といった制約がないため、生産管理面で解答することは妥当だと言えます。
(縫製工程の生産負荷を軽減する目的で生産ロットサイズを小さくする施策は「製造工程の効率化」を進める上の対応策として妥当といえます)

第3問(配点20点)
 C社社長は、自社ブランド製品の開発強化を検討している。この計画を実現するための製品企画面と生産面の課題を120字以内で述べよ。

【出題の趣旨】
C社自社ブランド製品の開発強化の計画を実現するために必要となる製品企画面と生産面の課題について、助言する能力を問う問題である。

追加情報が一切ありませんでした。
令和3年度を含めたここ数年の事例Ⅲは、理論は平易ですが、各設問への対応づけの難易度は非常に高くなっています。
このため、出題の趣旨で理論の対応づけが明らかになると事例Ⅲの対策がかなり容易になるため、趣旨でも情報を提供しない意図があるのではないかと思います。

第4問(配点30点)
 C社社長は、直営店事業を展開する上で、自社ブランド製品を熟練職人の手作りで高級感を出すか、それとも若手職人も含めた分業化と標準化を進めて自社ブランド製品のアイテム数を増やすか、悩んでいる。C社の経営資源を有効に活用し、最大の効果を得るためには、どちらを選び、どのように対応するべきか、中小企業診断士として140字以内で助言せよ。

【出題の趣旨】
直営店事業を計画しているC社が、経営資源を有効に活用し、最大の効果を得るための自社ブランド製品戦略とそのための社内対応について、助言する能力を問う問題である。

「社内」対応という表現が提供されたことにより、対外的(対顧客を含む)なマーケティング上の施策は要求対象外であることが明らかになりました。
社内対応として、オンライン販売と直営店の在庫管理の一元化などが期待されていたと思われます。

さいごは事例Ⅳについて書きます。